当然のことながら
商品先物にて商品の価値を動かすのに一番大きく影響するのは、
需要と供給のバランスです。そして、ここ2~3年で需給バランスが大きく変化する
事態が到来したことによって、商品市場が再び脚光を浴びました。
米国の2000年初頭に取られた景気拡大政策により、アジア、南米、東欧、アフリカ
の国々の
経済発展を加速させました。このため、原材料、資源である商品を急増さ
せたことで、大きなファンダメンタル要因として、商品市場を活性化させました。
特に、
中国、インドなどの新興経済大国の経済発展と人口増加による、商品に対す
る需要拡大にはすさまじいものがありました。中国は、世界の工場と呼ばれて久し
いですが、今さらに上のステージに移行している最中です。
国民の生活水準も急速に拡大したことによって、実質世界有数の消費国となってい
ます。中でも鉄鋼、銅、アルミ、金、などの金属消費量で世界一位です。
また、大豆の消費量、天然ゴムの消費でも世界トップです。
原材料や素材だけでは
なく、ビールの消費量にいたっては、何とあの米国をついに抜いてしまったのです。
今現在、中国には約13億人以上の人が住んでいます。ですので、必然的に大量の
農産物・穀物が必要なので輸入に頼ることになるわけです。
事実、中国の砂糖輸入量はこの5年間に倍以上に膨れ上がってます。中国はかつて
は農産物の大量輸出国でしたが、2003年以降は信じられないスピードで経済発展
を遂げたために一変して輸入大国になってしまったのです。
上述したとおり、世界の工場であることから、鋼材をはじめ、自動車などの生産でも
世界で重要な位置についたことから、これらを製造するために中国では大量の原材
料、エネルギー、素材が必要になっております。
また、中国の
原油をはじめ、ゴム、銅地金、紙パルプの輸入量が急拡大しています。
ですので、中国の動きが、原油、非鉄金属、鋼材、大豆、とうもろこし、砂糖の価格に
必然的に大きな影響を与えているわけです。
これに伴って、海運の市況や紙パルプの市況にも大きく影響しております。世界景気
が後退している中で中国は依然として7%台の
経済成長を遂げています。
エコノミストの間では、早ければ中国は
先進国を横目に今年後半から再び経済成長
を加速させる動きが見られるかもしれないと予測する声があがっています。このため、
原油や金価格が今年後半から再び上昇局面に入る可能性が高いです。